WILD

あの夜は牙をたてて
弱みなんか見せまいと
僕の野獣がうなってた

少し泪を浮かべて
去ったあの電灯の下で
夜空が舌打ちした

“よくやった”
そう頭を撫でられても
君じゃなきゃ嬉しくなかった

あの朝は眩しくて
凍り付いた泪で目を赤くして
僕の野獣がうなってた

冷たい笑みを浮かべて
開き直る僕の顔を
青空が笑った

“今を見ろ”だって?
そんな言葉は君に
抱きしめられながら聞きたかった

おいあの時
野獣を殺せばよかったのか?

高いヒールで心をえぐりながら口にした
馬鹿馬鹿しい挨拶は
君のおどけなさを生んで
僕の頬を熱くする
あぁそんな空は僕を嘲る
あぁそんな野獣は僕を見捨てる

そして僕は君への愛をそっと深める

そして君は僕を忘れる

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